セントジョーンズワートとは

由来

セントジョーンズワートは、日本名で「セイヨウオトギリソウ」と呼ばれ、主にサプリメントやハーブとして使用されています!

このセントジョーンズワートは「聖ヨハネの草」という意味があり、聖ヨハネの日(6月24日)頃に、黄色い花を咲かせるハーブです。

ヨーロッパでは、聖ヨハネが殉教したときに、その血液からセントジョーンズワートが、芽生えたと伝えられています。

そして、聖ヨハネの英語名である「セント・ジョン」から、この名前が付けられました。(花びらを強くこすると、赤い液体が出てきます)

中世ヨーロッパでは、うつ症状の治療のために服用されたり、やけどや切り傷の治療に使われてきました。

このためセントジョーンズワートは、別名”悪魔ばらいのハーブ”とも呼ばれているのです。(”うつ”は、悪魔が人に乗り移ったために起こる、という迷信があったのです。)

もともとは、ヨーロッパで自生するハーブでしたが、近年は、アメリカでも普通の草地に、自生するようになっています。

現在の使用例

現在セントジョーンズワートは、主にうつ症状を治療、改善するためと、気分をリラックス、安定させるために利用されています。

うつの治療

セントジョーンズワート・イメージ

日本では、まだセントジョーンズワートの使用例は少ないのですが、もともとの自生地であるヨーロッパ(特にドイツ)では、うつ症状の治療薬として使用例が多く、臨床研究も進んでいます。

人工的に作られた抗うつ薬は、副作用の心配があります。

しかし、セントジョーンズワートは、天然のハーブのため、体調不良や長期間使用での依存性などの、副作用がほとんどありません。

このため、ドイツでは、セントジョーンズワートの使用例は、人工的な抗うつ薬をはるかに超え、医師の処方は、年間約300万件以上にのぼっています。

ただし、効果がはっきりしているのは、軽度から中程度のうつの場合が多く、強度のうつでは、効果が少ないといわれています。また、使用方法によっては副作用があるので、ご注意ください。
詳しくは、セントジョーンズワートの副作用をご覧ください。

精神の安定

セントジョーンズワートは、脳内の神経伝達物質を、うまく調整する働きがあるので、うつ症状の治療だけでなく、気分を向上、安定させます。

アメリカでは、うつの治療薬というより、こちらの用途で使用されることが多くなっています。日本よりも格段に認知度が高く、通常のサプリメントと同じように愛用されています。

*セントジョーンズワートの最新の研究では、食欲を抑える効果も注目され、ダイエットに利用することも少しずつ始まっています。

臨床例

1990年代に行われたドイツの”うつ”の臨床研究では、次のような結果が報告されています。

<セントジョーンズワートの投与条件>
 ・うつ症状やストレスを抱える約3000人が対象
 ・投与期間は6週間
 ・1日あたりの投与量900mg(300mg×3回=900mg)

<結果>
 ・対象者の8割以上の人が、”症状が以前より改善された”
  あるいは”症状がほぼ無くなった”という。
 ・対象者の約2%に、けんたい感やごく軽い胃腸の不調などの副作用があり。

このように、3000人のうち29
00人以上の人が、大きな副作用も無く、セントジョーンズワートの効果を、実感できたという結果がでています。

ただし、条件の違う臨床研究では、上記の結果よりも効果が低かったという報告もありますので、あまり過剰な期待は持たないほうがよいでしょう。

また、セントジョーンズワートはハーブなので、その効果がでてくるまでには、早い人で1カ月弱、遅い人で1カ月半ぐらいは、飲み続ける必要があります。日本の漢方薬のように、すこし時間をかけて様子をみることが大切です。

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